この記事では日本精工(NSK)の強みについて、図解を使いながらわかりやすく解説します。
日本精工は国内トップのベアリング(軸受)メーカーであり、世界でも3位のシェアをほこるベアリング業界のリーディングカンパニーです。
またベアリング以外にも電動パワーステアリング(EPS)やボールねじなど、
生活を支える数多くの部品で世界をリードする日本を代表する部品メーカー
として注目されている企業です。
以下のような人におすすめ！
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- 生活を支える部品メーカーで働きたい。
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結論
日本精工の強みをまとめると以下の2つです。
- 日本精工の強みの1つめは、世界中のあらゆる産業を支える唯一無二の製品力である。
- 日本精工の強みの2つめは、ベアリング業界をリードする摩擦コントロール技術である。
データは以下を参照しています。
- 日本精工 2021年3月期 決算説明会資料
- 日本精工 2021年3月期 定時株主総会招集ご通知
- NSKレポート2020 2020年3月期 統合報告書
- NSKサステナビリティレポート2020
- NSKベアリング入門
- 日本精工企業サイト
- 就職四季報
- 会社四季報 業界地図
さらに、日経ビジネスや日経XTECHなどのビジネス向け経済誌から得た情報も加えながら、2つの強みについて詳しく解説していきます。
また、日本精工の歴史や代表的な製品であるベアリングについても、わかりやすく説明していきます。
それではいきましょう！
日本精工(NSK)の強み「世界中のあらゆる産業を支える唯一無二の製品力」
日本精工の強みの1つめは、世界中のあらゆる産業を支える唯一無二の製品力です。
日本精工は1916年に日本で最初のベアリングメーカーとして設立されました。
ねじと歯車と並ぶ3大機械要素として重要なベアリングの国産化に成功し、日本の機械工業の発展に貢献するとともに、海外事業の拡大を通じて世界の産業の発展を支えてきました。
ちなみに機械要素とは機械を構成する最も小さい単位のことです。
クルクル回る軸を受け支えることから「軸受」と呼ばれている。
ベアリング(Bearing)のベア(Bear)は支える・耐えるという意味。
- ベアリングは機械の回転運動の摩擦を減らす働きをする
- 摩擦を減らすことで機械はスムーズに動くことができ、機械の寿命が長くなる
- ベアリングは自動車に100〜150個使われており、鉄道や飛行機、人工衛星にも使われている
- 風力発電、鉄鋼設備、工作機械、産業ロボット、医療機器など産業機械にも多くのベアリングが使われている
- 洗濯機、掃除機、冷蔵庫、エアコン、パソコンなどの家電にも使われており、家庭に約100個のベアリングがある
- ベアリングは産業の米と呼ばれており、日本精工だけで年間22億個も生産している
ベアリングには大きく分けて、
玉軸受(転がるものが玉の軸受)ところ軸受(転がるものがころの軸受)
があり、高速回転で使う場合は玉軸受、大きな力を受けて使われる場合はころ軸受のように使い分けがされています。
出典：NSKベアリング入門
ベアリングは摩擦(ある方向への運動をさまたげようと抵抗する力)を減らす働きがありますので、ベアリングがある軸はスムーズに回りますが、
ベアリングがない軸は摩擦に邪魔されながら回る
ことになり使い物になりません。
出典：NSKベアリング入門
このようにベアリングはあらゆる機械になくてはならない部品として、さまざまな産業に使用されています。
出典：NSKレポート2020 2020年3月期 統合報告書
日本精工はベアリングで国内1位、世界3位のシェアをほこるベアリング業界のリーディングカンパニーです。
売上高は日本が37%、海外が63%と半分以上が海外での売り上げとなっており、世界30か国・地域に208拠点を有するグローバル企業として世界中の産業を支えています。
またベアリング業界は欧米の
- スウェーデンのSKF
- ドイツのシェフラー
- アメリカのティムケン
と日本国内の
- 日本精工(NSK)
- NTN
- ジェイテクト
といった大手ベアリングメーカーで市場シェアを独占している寡占市場となっています。
ベアリングは機械の性能を左右する重要部品ですので信頼性が大切であり、
大手ベアリングメーカー以外のメーカーの参入が難しいため安定感がバツグン
であることも日本精工の強みの1つです。
さらに日本精工が世界にほこる製品はベアリングだけではありません。
自動車の「曲がる」を支える電動パワーステアリング(EPS)や工作機械や半導体製造装置に使用されるボールねじなど世界トップクラスの製品をいくつも持っていることも日本精工の強みです。
ベアリング・電動パワーステアリング・ボールねじなど世界中のあらゆる産業を支える唯一無二の製品力が日本精工の強み
日本精工(NSK)の強み「ベアリング業界をリードする摩擦コントロール技術」
日本精工の強みの2つめは、ベアリング業界をリードする摩擦コントロール技術です。
ベアリングの原理は紀元前8世紀のエジプト、ピラミッド作りの頃にすでに発見され利用されていました。
巨石を運ぶ台の下に丸太を並べ、丸太が転がることで大きな摩擦力を減らす原理はベアリングの原点と言えます。
出典：NSKベアリング入門
また15世紀には
ベアリングの原型とも言える基本的な構造がレオナルド・ダ・ヴィンチ
によって考案されています。
1916年に設立された日本精工は、特に戦後の高度経済成長とともに大きく成長していきました。
1952年には世界初となる「超仕上げ法」と呼ばれる摩擦を極限まで抑えた加工方法の自動化に成功し世界を驚愕させた日本精工は2021年、
さらにその技術を磨き上げることで世界最高回転の電動車駆動モーター用ベアリング(高速回転玉軸受Gen3)
を開発しました。
この電動車駆動モーター用ベアリングはモーター回転で毎分3万8千回転に相当する能力を持っており、電動車に要求されているモーターの小型化に大きく貢献します。
- 動力源に電気を使うクルマの総称
- ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV)・電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の計4種類がある
- 2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて自動車メーカー各社が電動車への注力を発表している
電動車駆動モーター用ベアリングが世界最高の回転速で使用できるメリットは以下です。
- ベアリングが高速回転するほど、モーターのパワーを引き出すことができるため、モーターを小型化することができる
- モーターを小型化することができれば、クルマの軽量化や車内スペースを拡大することができる
- クルマが軽量化すると1回の充電で走れる距離が伸びるため、環境負荷の低減にも大きく貢献する
つまり、日本精工のベアリングを使用する電動車は世界最高の小型モーターを搭載することができ、クルマを高機能化することが可能となります。
このように紀元前8世紀から利用されている摩擦を低減する原理を1916年の創立から現代まで100年以上かけて極限まで磨き続けてきた技術力が日本精工の大きな強みとなっています。
1916年の創立から現代まで100年以上かけて極限まで磨き続けてきた世界をリードする摩擦コントロール技術が日本精工の強み
同じく部品メーカーでありながら、さらに自動車に特化し世界中の自動車メーカーのパートナーとして成長を続けるデンソーと比較することで日本精工の企業研究を深めてみましょう。
>>【デンソーの強み】なぜ業界トップなのか？図解でわかる企業研究
また電子部品業界トップであり、日本精工と同じくあらゆる産業に部品を提供している村田製作所については【村田製作所の強み】なぜ業界トップなのか？図解でわかる企業研究をご参考にどうぞ。
日本精工(NSK)から内定獲得！イチオシの就活サイトを紹介
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まとめ 【日本精工(NSK)の強み】なぜ業界トップなのか？図解でわかる企業研究
この記事では国内トップのベアリングメーカーであり、世界でも3位のシェアをほこるベアリング業界のリーディングカンパニーである日本精工の強みについて解説してきました。
結論
日本精工の強みは以下の2つです。
- 日本精工の強みの1つめは、ベアリング・電動パワーステアリング・ボールねじなど世界中のあらゆる産業を支える唯一無二の製品力である。
- 日本精工の強みの2つめは、1916年の創立から現代まで100年以上かけて極限まで磨き続けてきた世界をリードする摩擦コントロール技術である。
また、日本精工の歴史や代表的な製品であるベアリングについても説明してきました。
この記事が日本精工の強みの理解に少しでもお役に立てたなら嬉しいです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう！
